以前からクラウドファンディングなどで期待されていたマグネット接続のUSBケーブル。最近は、市販品が数多く出回っている。その中でコネクタの種類やラインアップを比較したら「ZRSE」(ザスイ)の製品が良さそうなので、試しに1本購入。これが非常に便利だったため、USBの充電はZRSEで揃えた。主にmicroUSBの機器で利用しており、急速充電もできるのでおすすめだ。
マグネット接続のUSBケーブルとは?
マグネット接続のUSBケーブルとは、スマホなどの機器とケーブルを磁力で接続するものだ。具体的には、スマホなどのUSB端子に磁気を帯びたアダプタを装着。ケーブルの端子も磁力を帯びているため、スマホなどの機器とケーブルが簡単に接続できるという製品だ。
ただ、スマホ側のアダプタとケーブルは同じメーカーやブランドでないとつながらない。また、パソコンと接続をしたときのファイル転送などの通信、急速充電に対応しているのかなどの懸念がある。

ここで紹介しているZRSEのマグネットケーブルは第五世代だ。第六世代も販売されているが、ケーブルとコネクタに互換性はない。また、第六世代は、アダプタのみの販売はされていないようだ。
「ZRSE」の製品を購入
Amazonで「マグネット接続 USBケーブル」のキーワードで探したら、たくさんの製品が見つかった。多くは中国のメーカーやブランド、販売店のようだ。メーカーやブランドが異なるのに、そっくり、というよりも同じだと思われる製品があった。その中で気になったのが「ZRSE」(ザスイ)だ。


ZRSEの製品は、1本のケーブルにLightningとmicroUSB、USB Type-Cの3つのコネクタが同梱されている。さらに、スマホ側に装着するmicroUSBまたはUSB Type-Cのコネクタの4つセットも販売されている。私は今のところ3本のケーブルを持っているが、それに対してType-CとmicroUSBの合計8つの機器がZRSEのマグネット式接続に対応している。
スッとスマホに吸い込まれるような感覚で接続
マグネット接続のUSBケーブルは、まずはスマホなどの機器にアダプタを装着する。その際、スマホの端子のホコリや汚れを取る。できればブロアを使ってホコリを飛ばした方がいいだろう。このようにスマホの端子をきれいにしたら、アダプターの設置だ。通常使っているUSBケーブルよりも、多少、堅いかもしれないが、気にしないで押し込む。


そこに、USBケーブルのマグネット部分と、スマホに装着したアダプタに近付けてみると、スッと磁気により吸い寄せられて「カチッ」と音がして接続完了。
高速充電には対応している?
スマホなどのバッテリーの容量が多くなった現在、急速充電は重要な機能の1つ。電圧と電流を測定したところ、ZRSEのマグネット接続のケーブルは、通常の端子のケーブルと同じく高速充電が可能だ。
使用した機器などは、以下の通り。
- 端末:Xperia X Compact
- 充電器:Anker PowerPort Speed 5(QualcommのQuick Charge 3.0対応)
- ケーブル:Anker PowerLine+ USB-C & USB-A 3.0 ケーブル (0.9m レッド)
- マグネット式:Zrse(ザスイ)【3in1ケーブル】
QualcommのQuick Chargeは、スマホなどの機器を高速充電する技術。auとソフトバンクでは「クイックチャージ」、ドコモでは「急速充電」という名称を付けているが、3つともQuick Chargeのことだ。
Quick Chargeは、まずは、充電器とスマホが通信して、お互いにQuick Chargeに対応しているのか確認する。対応製品である場合は、電圧を徐々に上げて高速充電を開始。電圧と電流を確認しながら、安全な範囲でスマホに送る電力を調整するという仕組みだ。
テストの結果だが、
- 通常の端子で充電:7.73Vの1.43Aで11.05W
- ZRSEのマグネット端子:9.32Vの1.14Aで10.62W
となった。
測定の結果、マグネットでの接続の方が、多くの電力を供給できる結果になったが、誤差程度であり、どちらも同じとしてもいいだろう。




モバイルバッテリーでの充電は不便
マグネット式の接続は、通常の接続よりも簡単に外れる。普段はこれでいいのだが、外出先でスマホのバッテリーが少なくなり、モバイルバッテリーを使って充電する場合は少し面倒だ。カバンの中でケーブルが抜けてしまうことがある。
マグネット接続は規格化して欲しい
このようにマグネット式のUSBケーブルは非常に便利だ。スマホなどのモバイル機器は今のところ、microUSB、USB Type-C、Lightningコネクタの3つが存在する。これら3つを充電する場合、専用のケーブルが3本、必要だ。
しかし、マグネット式のUSBケーブルの場合、スマホなどに専用のアダプタを装着するため、端子の種類は気にしなくてもいい。このようにアダプタがあるおかげで、端子がなんであってもマグネット式のUSBケーブルは1本で済む。
今までは3つの端子が混在していたが、どうやらUSB Type-Cに集約されそうだ。このマグネット式のUSBケーブルも規格を策定して、1つにまとめて欲しい。