2018年は、「バーコード決済元年」「QRコード決済元年」とされる年だろう。100億円をばらまいたPayPayをはじめとして、Origami Pay、d払いが開始。既存のLINE Payや楽天 Payも加えて、多くのサービスがひしめき合っている。今のところ主な加盟店はコンビニだが、QR/バーコード決済が本領を発揮するのは個人商店だろう。
コンビニにおけるQR/バーコードは数ある決済方法の1つに過ぎない
今のところ、QR/バーコード決済が使えるのは主にコンビニだ。しかしコンビニは、すでに多くの電子決済に対応している。QR/バーコード決済はその1つにしか過ぎないため、コンビニにも消費者にもメリットはあまりないだろう。あるとしたら、せいぜい割引クーポンや商品が無料になることだ。
しかし、QR/バーコード決済の知名度を上げるためには役に立ったはずだ。ファミリーマートは16,660店舗(2018年11月30日現在)、ローソンは13,992店舗(2018年2月末現在)、それにセブン-イレブンの20,700店舗(2018年12月末)が加わり、日本全国で少なくとも51,352店舗でQR/バーコード決済が利用できる。これは知名度を上げることにつながっただろう。
QR/バーコード決済の加盟店に必要なのは紙に印刷したQRコードだけ
QR/バーコード決済の最大の利点は、加盟店の負担が最小限で済むこと。1枚の紙にQRコードを印刷してレジに掲げておくだけだ。一方のクレジットカードは、利用料金、専用の端末と回線などが必要だった。
Origami Payのアプリは、これを意識したユーザーインターフェースになっている。トップ画面から「お支払い」を選択すると、スマホにQRコードやバーコードが表示されるのではなく、QRコードの読み込みモードになる。この状態でお店に掲げられたQRコードを読み込ませると決済ができる。
さらに、QR/バーコード決済の中は、決済手数料が格安または期間限定で無料、決済から口座振り込みまでが早いという利点があるため、個人商店での電子決済の障壁が取り払われたことになる。
わたしの2018年12月の収支を計算したら、支払額のうち88%は電子決済だった。現金払いで多いのは理髪店。また、たまに行くクリニックと薬局が現金払いで、いずれも個人経営で電子決済には対応していない。このような店舗にもQR/バーコード決済が浸透すると、電子決済率100%となるだろう。
QR/バーコード決済は加盟店の負担を消費者が負うサービス
このように個人商店がQR/バーコード決済の加盟店になるのは簡単だが、その負担は消費者が負うことになる。
まずは、消費者はスマホへのアプリのインストールと設定が必要だ。クレジットカードの加盟店であれば、そのような事は不要で、支払時にカードを出すだけだ。
また、決済を行う際に行われる通信のコストは消費者が負担する。クレジットカードの場合は、加盟店が利用している端末が通信を行っていた。
とは言うものの、アプリは、最初にインストールしてクレジットカードやポイントサービス、銀行口座を結びつければそれでいい。最初の段階で多少手間がかかる程度だ。また、通信が必要といっても、ほとんどのスマホユーザはギガバイト単位で通信料金を払っているため、それと比べるとほんのわずかだ。
個人商店に浸透するにはまだまだ時間がかかる
現在、各サービスとも代理店の営業が個人商店にQR/バーコード決済サービスの売り込みに回っているだろう。そのため、このような個人商店にまで浸透するには、まだ数年かかる。少なくとも2019年は、そこまで広がりや利便性を感じない。そのため、「QR/バーコード決済は終わった」などと言われるかもしれない。
しかし、個人商店にもQR/バーコード決済が浸透する数年後に本領を発揮すると見ている。