ドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクは、相次いで新しい料金プランを発表した。この新しいプランはスマートフォン向けだ。しかし、通話とSMSしか使わないユーザも多い。そのようなユーザはわざわざMVNO(いわゆる格安SIM)に乗り換える必要もなく、MNOの契約を続ける方が安いこともある。
“MVNOは安い、MNOは高いは”スマホの料金
一般的に、“ドコモ、KDDI、ソフトバンクなど自前で通信回線を持つ事業者である「MNO」の料金は高い”、というイメージがある。しかし、これはスマートフォンの料金に当てはまることだ。通話とSNSだけで、通信はほとんど行わないというユーザーはMNOの方が安いこともある。
例えばauの4Gケータイの場合、
- VKプランS:月額998円(税別)/2年契約、通話料金は30秒20円、無料通話1,100円付き
- ダブル定額(ケータイ):月額500円
- LTE NET:月額300円
合計:1,798円
だ。ここで重要なのは、1,100円分の無料通話が付いていること。そのため、“実質698円”という表現もできる。
端末の定価は32,400円だが、値引きで14,130円
この通話とSMSのみを使うプランを調べたのは、家族が機種変更をすることがきっかけだった。家族が使っていた端末は2009年発売の「簡単ケータイK003」。さすがに10年も使うとディスプレイやキャップが劣化して、使用に支障が出ていた。そのため、後継モデルの「かんたんケータイ KYF38」に機種変更をした。

(右)2018年7月に発売された かんたんケータイ KYF38」
このKYF38の定価は32,400円(税込み)。K003は「auケータイ(3G)」で、KYF38は「auケータイ(4G LTE)」のため「ケータイとりかえ割」が適用され10,800円引きとなった。さらに、3Gサービスの終了で端末の買い換えを促すダイレクトメールに入っていたクーポンでau WALLETに5,000円が付与される。また、2,470ポイントを保有していたため、これを割引に使うと端末の価格は実質14,130円まで下がった。
そのほかに、ケータイとりかえ割の特典としてACアダプタが、オンラインの手続きだったため手数料が無料だった。
ショップには行かないでオンラインで手続きを行う
今回の機種変更は、すべてオンラインで行った。こちらで適切なプランを選んだためショップの店員に相談しなくても安く契約できる、レ点商法がない、ショップまでの移動と待ち時間がないためだ。さらに、最寄りのauショップが閉店したため、少し遠いほかのショップに行かなければならない。それなら、オンラインで済ませる方が楽だ。
音声通話線用のMVNOのプランもある
このようなニーズはまだあるようで、通話とSMSだけ提供するMVNOのサービスもある。IIJ mioの「ケータイプラン」だ。月額920円で、通話料金はプレフィックスを付けて利用する「みおふぉんダイアル」だと30秒10円だ。
みおふぉんダイアルの通話料金もケータイプランの基本料金も、auのVKプランSよりも安いが、無料通話は付いていない。そのほかのMVNOも低価格のプランを用意しているが、無料通話が付くためauのVKプランSにはかなわない。
KYF38 は「ガラケー」ではなく「フィーチャーフォン」
現在、移動通信端末といえばスマートフォンで、従来型の携帯電話は少数だ。これら従来型の携帯電話は「ガラパゴスケータイ」や「ガラケー」と呼ばれている。日本の従来型携帯電話は、外界とのつながりはなく高度に生物が発達したガラパゴス諸島に例えられ、このように呼ばれている。
しかし、現在、販売されている携帯電話は「フィーチャーフォン」と呼ぶのが正しいだろう。フィーチャーフォンとは、通話とショートメッセージサービスに加えて、Webや音楽再生、カメラが利用できる携帯電話のことを指し、ガラケーよりも機能は劣る。
KYF38は、ガラケーの代表的な機能やサービスであるワンセグ、おサイフケータイ、アプリのインストールには対応していない。究極的にはEZwebが使えないというほどだ。使えるサービスや機能といったら、通話、SMS、電子メール、カメラ程度で、フィーチャーフォンと呼ぶべき携帯電話だ。
そのため、2018年7月に発売されたKYF38は、2008年8月に発売されたK003よりも使えるサービスが少ない。10年後に発売された後継機種の方が機能や対応するサービスが少ないという珍しいケースだろう。

マイクロUSBで充電できるが、充電スタンドは従来型携帯電話にはなくてはならない。