TaoTronicsのワイヤレスイヤホン「TT-BH07S」が気になっている。ハイレゾの無線伝送を想定して開発されたコーデック「aptX HD」を採用しているにも関わらず、価格が税込み5,378円と安価だからだ。しかし、イヤホンのスペックとして重要な「再生周波数帯域」の記載がどこにもないため、購入は迷っている。
イヤホンのスペックで重要な「再生周波数帯域」が分からない
再生周波数帯域とは、その音響機器が出力できる音の周波数の範囲のこと。一般的に、この帯域つまり範囲が広いほど音質が高いことが期待できる。
ソニーのイヤホンを例に説明すると、「XBA-N1」(税別21,880円)の再生周波数帯域は4Hz~40,000Hzだ。一方の「XBA-100」(税別9,250円)は5Hz~25,000Hzとされている。この再生周波数帯域だけで比較すると、XBA-N1の方が高音質が期待出来る。さらに、この2つのイヤホンの違いは、「Hi-Res」(ハイレゾ)対応の有無だ。
クアルコムの最新チップで2Mbpsの転送が可能に
TT-BH07Sは、確実にハイレゾには対応していない。しているなら、それを前面に出すからだ。それよりも強調しているのが、クアルコム製のBluetoothのSoCである「QCC3034」を使っていることだ。
現在、ワイヤレスイヤホンで広く用いられているのはBluetooth 4のlow energyモードで通信速度は最大1Mbps、コーデックはaptXだ。一方のQCC3034は、Bluetooth 5.0に対応しており、low energyモード時には最大2Mbpsで、コーデックはaptX HDが利用できる。
このaptXとaptX HDの音質の差は、開発したクアルコムのWebサイトに記載されている。
aptXは
48kHz/16bit LPCMオーディオデータに対応
https://www.aptx.com/ja/aptx
CD 同等品質のオーディオを実現
aptX HDは
48kHz/24bitの音声データに対応
https://www.aptx.com/ja/aptx-hd
有線ハイレゾオーディオと識別が出来ないほどの高いクオリティ
ハイレゾ以外のコンテンツの音声伝送でも音質向上を実現
とされている。aptX HDが採用された機器はハイレゾ音源や対応機器でなくても高音質が期待できそうだ。これから、非ハイレゾのaptX HD製品が増えそうだ。