現在、パソコンなどで作成したデータはOneDriveに保存している。そのため、SSDやHDD、電源やマザーボードが故障してパソコンが起動しなくなっても、お金を払い、壊れた部品を購入または修理、新たにパソコンを購入したらまったく問題はない。
しかし、アップデートの失敗やドライバの不具合など、ソフトウェアが原因でパソコンが起動しなくなることがある。Windowsには「システムの復元」があり、ソフトウェアのインストールやWindows Updateを行った際に復元ポイントが作成される。これを使うと、復元ポイントが作成された時点に戻せる。しかし、このシステムの復元を用いてもWindowsが正常に起動しなくなることがある。そんなときのために、パソコンのシステムバックアップ(フルバックアップ)は必要だ。
パソコンのシステムバックアップを行う理由
このような場合、Windowsを再インストールするという手もある。しかし、Windowsとアプリケーションのインストールとその設定には、おおよそ半日はかかる。さらに、パソコンを使いながらソフトの細かい設定を変更すると数日といったところだ。このようなことにならないために、日頃からシステムバックアップを行っていると復旧が楽だ。
それを実感したのが、「Windows Home Server」を利用していたとき。Windows Home Serverは家庭用のサーバーで、主な機能はファイルサーバーとパソコンのフルバックアップだ。データはファイルサーバーに保存して、パソコンは1日1回差分バックアップを行っていた。
このバックアップのおかげで、パソコンが起動しなくなってもすぐに復旧できたことが何度もある。1時間かからない程度だ。
しかし、Windows Home Serverとサポートが終了したため、パソコンのシステムバックアップを行っていなかった。そのため、システムバックアップのソフトを探していたところ「EaseUS Todo Backup」を見つけた。
無料で使える「EaseUS Todo Backup Free」
EaseUS Todo Backup Freeは無料版だが、完全バックアップのほかに増分と差分によりバックアップ時間の短縮、パソコンの使用中でもバックアップができる、復元用の起動ディスクも簡単に作成できるなどの利点がある。
149Gバイト分のシステムバックアップは21分で完了
実際にパソコンを使用しながらバックアップを行った。バックアップを行ったパソコンは、AUSUのノートパソコン「N552VX」。スペックはCPUはCore i7-6700HQ、メモリーは16Gバイト、SSDは256Gバイトだ。ただ、SSDは、SATAからNVMeに交換している。
また、SSDは256Gバイトだが、実際に使っているのは149Gバイト。バックアップファイルの保存先は、1Gbpsで接続しているパソコンで構築したNASだ。
実際にフルバックアップを行った。このフルバックアップだが、Windows上から実行できる。試しに、普段通りWebを参照しながらブログを書いたり、トリミング程度の画像処理を行ったりしたが、バックアップを行っているとはまったく感じなかった。
EaseUS Todo Backup Freeでシステムバックアップ
1回だけのバックアップ
1回だけのバックアップは非常に簡単だ。
1.「システムバックアップ」をクリック
2.[宛先]の「参照」をクリック
3.バックアップを保存したいNASを指定。IPアドレスまたはホスト名、アカウント、パスワードを入力し「OK」をクリック
4.システムバックアップのファイルを保存したいフォルダを追加
5.「実行」をクリックするとバックアップが始まる
定期的なバックアップを行う
EaseUS Todo Backup Freeのシステムバックアップは簡単だ。また、1回だけではなくスケジュールに沿ったバックアップも行える。ここでは、毎日1回、自動的にバックアップを行うように設定する。
1.システムバックアップをクリック
2.「参照」でバックアップファイルを保存する場所を指定する。今回はNASに保存するため、「NASデバイス」 → 「+NASデバイスを追加」 → 「NASデバイスを追加」のウインドウが開く
3.「Nas IP/名前」:NASのIPアドレス
「表示名」:EaseUS Todo Backup Freeで表示するNASの名称
NASにログインするための「ユーザー名」と「パスワード」
を入力して、「OK」をクリックする。
4.接続したNASでシステムバックアップを保存したいフォルダ → 「OK」をクリック
5.「プラン名」と「説明」は分かりやすい名称を入力する
6.定期的にシステムバックアップを行う場合は「スケジュール:オフ」をクリック
7.今回は、毎日決まった時刻にバックアップするため、「毎日」 → 「20:00」 → 「差分」 → 「バックアップを実行するためスリープ状態から復帰」をチェックして、右下の「保存」をクリック。「Windowsログインユーザー」と「パスワード」は入力の必要はない。
8.「イメージの保存設定」はバックアップファイルの保存期間。これを設定しないと、バックアップファイルが貯まり続ける。「イメージの保存設定を有効にする」にチェックを入れて、[保存期限]は「10」「日」、「初めのイメージを削除しない」と「イメージ結合方式でイメージを保存」にチェック、「OK」をクリック。
9.「保存」をクリックして終了
このようにして行ったバックアップは21分30秒で完了した。また、バックアップファイルは89.1Gバイトに圧縮されていた。