NASに特化したLinuxのディストリビューション「openmediavault」(OMV)。「プラグイン」により、さまざまな機能が簡単に追加できる。今回は、無停電電源装置(UPS)と連携するプラグインをインストールする。
UPSと連携できる「NUT」
NUT(Netowrk UPS Tools)は、UPS(無停電電源装置)とopenmediavaultが通信できるようにするプラグイン。これにより、openmediavaultがUPSの状態を確認できる。そのため、停電の継続時間やUPSの残り時間などを設定すると、自動的にopenmediavaultがシャットダウンする。このNUTはオープンソースソフトウェアで広く公開されており、対応するUPSも数多い。
現在、openmediavaultをインストールしたパソコンに接続しているUPSは、APCの「RS 400」だ。NUTに対応する製品を確認したところ、容量が異なる「RS 500」がリストに入っていた。そのため、問題なく動作しそうだ。
設定
NASには、UPSは絶対に必要だ。家庭でも企業でも、NASが停電により停止するのはしょうがない。しかし、データの消失はあってはならないからだ。このデータ消失の1つの原因が停電や雷だ。UPSはこれらが原因の障害を減らしてくれる。
NUTは数多くのOSに移植されているが、複数のファイルに設定を記載する必要があるなどハードルが高いようだ。しかし、openmediavaultは「有効」をオンにするだけだ。
また、停電時の自動シャットダウンの設定も簡単だ。[シャットダウンモード]を「UPSがバッテリーモードに移行した時」に設定。[シャットダウンタイマー]の時間を入力する。なお、このシャットダウンタイマーの単位は分ではなく「秒」だ。「保存」をクリックしたら設定は完了だ。

テスト
実際にコンセントからプラグを抜いてテストを行うのが良いだろう。少なくともNUTが正常に動いていなくても、UPSの電源でNASは動くはずだ。これが動かなければ、NUTどころの話しではない。
実際にシャットダウンタイマーを300秒(5分)に設定。正常に5分後にNASはシャットダウンした。