元本割れもあるが「投資商品ではありません」というTimebank

 マンガ家の畑健二郎さんがTimebankに「ITO」するというので、早速、応募することにした。しかし、規約などを読むと、さすがに怖くて手が出せなかった。

元本割れもあるが「投資商品ではありません」というTimebank 1

 なお、この記事はTimebankについて触れたもので、畑さんのITOはその一例としてあげているだけだ。また、Timebankは投資商品ではないとされているが、損失を被る恐れがある。取引の最終的な判断はご自身が行っていただきたい。

Timebankとは?

 Timebankはメタップスが運営する「専門家」の「タイム」を売買する取引所サービス。専門家とはアスリート、芸能人、タレント、クリエーター、経営者など高度な技術や技能を持った人たちのことを指す。この専門家は誰でもなれるわけではない。SNSでの影響力やTimebankでの審査が必要だ。ここで専門家と認められると、Timebankに「ITO」できる。このITOにより、自分のタイムを発行してユーザに販売できる。また、タイムの最小単位は1秒で、10秒単位でユーザー同士で売買できる。

Timebankで売買できるタイムとは?

 一般的には、タイムは専門家の“時間”を買うとされている。例えば、ユーザーが30分のタイムを経営者の専門家に支払うことで、「Skypeで経営の相談をする」ということが考えられる。

ユーザーが保有するタイムにより、「リワード」が受けられるという仕組みもある。例えば畑さんの場合、「リクエストのキャラクター+宛名入りサイン色紙プレゼント」「専門家の連載漫画に、エキストラとしてゲスト出演!」「漫画の添削・アドバイス」がある。

https://info.timebank.jp/talent/391

Timebankのリスク

 わたしは、畑さんの色紙を目当てにITOに応募するつもりだった。色紙は3,600秒が必要で、畑さんのタイムは1秒につき21円。そのため75,600円が必要になる。さすがにこれほどのお金を預けるからには、規約やヘルプを熟読する必要があるだろう。そうすると、多くのリスクが浮かび上がった。

https://info.timebank.jp/terms
Just a moment...
  1. タイムは投資商品ではありません
    規約の第3条にて「タイムは投資商品ではありません」としているにも関わらず、「タイムを他のユーザーに売却する場合、売却価格が購入額を下回ることもあることになります」(原文ママ)と記載してある。ここに矛盾を感じた。
  2. タイムの乱高下が激しい
    タイムの価格は、1日の制限幅が設定されており、上昇は50%、下落は25%だ。トップページに掲載されている専門家のタイムの価格を見ると、これに近い変動幅がいくつもある。そのため、規約には「投資商品ではない」と書いてあるものの、実質、“投機目的”になっている。
  3. 出金依頼から振り込みまで2週間から1か月かかる
    Timebankに預けた資金の出金に時間がかかるのもリスクの1つだ。Timebankは、出金を依頼してから自分の口座に振り込まれるまで2週間から1か月間程度かかる。それは出金の依頼は毎月15日と月末に締めて、2週間後に口座に振り込まれるからだ。出金依頼をしたにもかかわらず、こんなに長い間、資金を握られているのはリスクが高い。
  4. クレジットカードのショッピング枠の現金化が低金利で可能
    時間はかかるものの、クレジットカードでTimebankに入金をして、すぐに出金依頼をすると1か月以内で、ショッピング枠の現金化ができる。入出金の手数料は、5万円未満は540円、5万円以上は1.08%の手数料がかかる。そのため10万円を入出金した場合、2,160円の手数料で現金化できる。ちょうど本日は月末だ。クレジットカードで入金して、すぐに出金依頼をすると2週間後には現金化できる。
  5. タイムには義務も権利もない
    タイムは「あくまでユーザーによる専門家の支援を見える化することで、専門家とユーザーの間のコミュニケーションを促進するための時間に紐づいた応援グッズ」とされている。そのため、タイムをユーザーが持っているからといって、必ずしもそのタイムに応える必要はない。

第3条
6.(略)。タイムは、これを保有するユーザーに対して何らの権利を付与するものではなく、ユーザーは、タイムを専門家に提示等することによってこれを何かに使用することができるわけでもありません。また、タイムは、これと引き換えに物品の購入や借入れ、サービスの提供を受けることができるものでもありません。タイムは、あくまでユーザーによる専門家の支援を見える化することで、専門家とユーザーの間のコミュニケーションを促進するための時間に紐づいた応援グッズに過ぎず、リワードが提供される場合でも、それは多くのタイムを持つことで専門家を支援してくれていることに対する専門家からの感謝のしるしということになります。

 これほどリスクがあるにもかかわらず、「タイムは投資商品ではありません」と書かれている。ほかに問題があるのではないかと疑ってしまう。Timebankは、これらのリスクを考えた上で利用した方がよさそうだ。