災害時の警報や避難情報をスマホに通知するサービスはいくつかある。わたしもスマホに複数のアプリをインストールしていたが、9月30日に大変な目に遭った。別の地区の避難勧告のエリアメールが届いた上に、台風による大雨の警報、北海道の地震の通知が一気に届いたからだ。これだと自分に必要な情報に気がつかない可能性がある。そこで、これらのアプリやサービスを整理することにした。
エリアメールと緊急速報メールは必須
まずは、「エリアメール」(ドコモ)と「緊急速報メール」(auとソフトバンク)と呼ばれるサービスは必須。名称は異なるが同様のサービスだ。これら2つは「緊急地震速報」と言えば分かりやすいだろう。地震速報とは言われるが、津波情報、特別警報、市町村が発令する避難情報など緊急性が高い情報が送信される。
エリアメールと緊急速報メールで特に重要なのは緊急地震速報だろう。地震による揺れが来る数秒前には速報が届くため、ガスコンロを消す、机の下に潜るなど地震による被害を防ぐ1つのアクションができる。このエリアメールや緊急速報メールは、3社とも出荷時に適切に設定されている。そのため、まったく触れる必要はない。
「Yahoo!防災速報」で地域や危険度に応じた情報を受け取る
次に「Yahoo!防災速報」だ。緊急情報の速報に特化している、現在地を自動的に変更するといった機能があるためだ。
このYahoo!防災速報は、設定を変更する必要がある。ここで意識するのは、遠い場所の災害はすぐに知る必要はないということ。それよりも現在地の情報が重要だからだ。台風など広域にわたる災害の場合、別の地区の緊急度が高い通知が原因で、現在地の通知が埋もれてしまう可能性があるからだ。
Yahoo!防災速報の欠点
しかし、このYahoo!防災速報には、エリアメールや緊急速報メールと比べると遅れることがある。Yahoo!防災速報の通信はWebブラウザやTwitterのクライアントと同じく、インターネットの接続を使っている。このインターネット接続の欠点の1つは、通信が遅延する可能性があるということだ。
警報や避難情報などは、数秒や数分の遅れはさほど問題はない。しかし、地震と津波の情報は、1秒というレベルではなく、0.1秒の争いだ。そのため、緊急地震速報の配信には、インターネット接続ではなく「ETWS」という技術を使っている。これはインターネット接続などの通信などよりも優先して災害情報をスマホに送信するというシステムだ。
そのため、緊急地震速報はエリアメールまたは緊急速報メール、その他の気象に関する警報はYahoo!防災速報で受信するのが理想だろう。
今シーズンは立て続けに台風が上陸し、甚大な被害をもたらした。6日(土)には台風25号が日本に接近する。これを機にスマホの災害アラートを見直すことをおすすめする。