テレワーク歴20年の著者が一部の人にすすめる ~会社の経費として認めてくれない数々の商品

 わたしは、テレワーク歴20年だ。オフィスワークが基本で適時テレワークという時期もあったため、2つの拠点で同じように仕事ができるように環境を整えたこともある。そのため、昨今の新型コロナウイルス感染症のテレワークは、特に慌てていない。そこで、テレワークが長期化する事を想定したアイテムを紹介する。ただ、偏った製品なので、万人にはおすすめできない。

 在宅ワークは、自分に合った仕事場が自由に作れる。誰にも気にされることなく、なんでもできる。これらの製品は、高い集中力が長時間持続することを目的に購入した。

 テレワークで自宅の環境整えるために、勤務先から補助金が出る事もあるだろう。しかし、ここで紹介する物は、常識的な範囲を超えてしまっているため、経費としてもらえる可能性は低い。そんな製品だ。

キーボード&マウス:マイクロソフト「Sculpt Ergonomic Desktop」

https://www.microsoft.com/accessories/ja-jp/products/keyboards/sculpt-ergonomic-desktop/l5v-00030

 マイクロソフトがV字配置のキーボードを発売してから、このタイプを使い続けている。現在は「Sculpt Ergonomic Desktop」だ。キーが一直線に並んでいると、脇を締めないといけない。しかし。V字に配置されていると、自然な体勢で文字が打てる。もう一直線に並んでいるキーボードは使えない。

 また、Sculpt Ergonomic Desktopは、テンキーとキーボードと分離していることが評価できる。数字をたくさん入力することがないため、テンキーは不要。その分、キーボードの幅が狭いので机が広く使える。これもわたしの使い方に合っている。

 サポート体勢も充実している。サポートにお世話にならないのが一番いいが、3年間の保証期間内に故障したら、保証書とレシートまたは通販の場合は領収書のWebページをPDFなどでメールに添付して送ると、マイクロソフトから新品の製品が送られてくる。故障した製品は、ユーザが責任を持って破棄するという流れだ。これで仕事が中断する期間が最小限で済む。

 このSculpt Ergonomic Desktopは、以前はキーボードとマウスがセットの製品しか販売されていなかった。今回、調べてみるとキーボード単体という製品も販売されており、セット品と比べるとかなり安い。そのため、後ほど紹介するマウスを使いたい場合は、Sculpt Ergonomic Desktopのマウスは不要だろう。

フルサイズのキーボードだがテンキーが分離している
フルサイズのキーボードだがテンキーが分離している
手前がスペースキー。わずかながらAltキーの列が低くなっている
手前がスペースキー。わずかながらAltキーの列が低くなっている

マウスパッド:パワーサポート「エアーパッドプロIII」 (薄タイプ/マットブラック)

エアーパッドプロIII (薄タイプ/マットブラック) POWER SUPPORT
エアーパッドプロIII (薄タイプ/マットブラック)は。。圧倒的な操作感を実現するシリコン製のマウスパッドです。特殊な表面加工を施しているため、まるでエアーホッケーをしているような感覚でマウスを操作することが出来ます。ポインタの動きもスムーズで微細な動きまでフォローしますので、グラフィック関係やプロゲーマーの方、大画面...
「エアーパッドプロIII」
「エアーパッドプロIII」
エアーパッドプロIIIの表面はザラザラしている
エアーパッドプロIIIの表面はザラザラしている

 「エアーパッドプロIII」は、とにかくよく滑るマウスパッド。合わせてエアーパッドプロIII用の「ソール」も購入した方がいい。ソールというと聞き覚えがない人が多いと思うが、マウスの裏に貼ってあるマウスパッドに触れる部分のこと。エアーパッドプロIIIだけでも十分だが、専用のソールを組み合わせるとマウスの使い勝手が向上する。

 このエアーパッドプロIIIとソールを組み合わせると、マウスパッドの上でマウスが“滑る”と表現するのが適切だろう。

 ソールは、使ううちにすり減っていく消耗品と考えた方がいい。ソールが少しずつすり減りながら、マウスを動かすときに抵抗がかからないようになっているようだ。

 これらエアーパッドプロIIIもソールも大きさや厚さなど複数の製品がラインアップされている。エアーパッドプロIIIは、「薄タイプ マットブラック」がおすすめだ。薄型がおすすめするのは、マウスで操作する際、手首の違和感がないから。マウスパッドが厚いと気になってしまう。

 ソールは丸型の0.65mmまたは0.95mmがおすすめ。厚さが0.35mmだとマウスのほかの部分に干渉する可能性があるためだ。

ソールの使用例
ソールの使用例

ヘッドセット:プラントロニクス「BLACKWIRE 3200」

Blackwire 3200 シリーズ - 有線 UC ヘッドセット
Plantronics Blackwire 3200 シリーズには、耐久性と快適性に優れ、導入が容易な有線 UC ヘッドセットが含まれており、さまざまな接続オプションや装着オプションが用意されています。追加の Software-as-a-Service を提供する Plantronics Manager Pro を利用...

 新型コロナウイルス感染症が収まったあともテレワークとオンライン会議が定着すると思っている。遠隔地ならなおさらそうだ。例えば、勤務地は東京、お客さんは大阪ということもある。これまでは、何の疑問も持たず打ち合わせのため大阪まで出張をしていただろう。顔を合わせるのも大事だが、打ち合わせはテレビ会議に移行する事が考えられる。

 その際に重要なのがヘッドセットだ。数百円から販売されているが、おすすめなのはプラントロニクスの「BLACKWIRE 3200」。わたしは、BLACKWIRE 3200と同等のモデルのBLACKWIRE 310を8年間使っているが、正常に動作している。ヘッドセットなのにファームウェアのバージョンアップができるというほどのハイクラスの製品だ。

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「BLACKWIRE 310」。8年間使っているが、故障はしていない

 Bluetoothという手もあるが、IP電話と兼用しているため、いつ電話がかかってくるのか分からない。リンクが切れていたり、電池の残量が少なかったりする事もある。有線タイプならその心配はない。

 また、イヤホンジャックではなくUSB接続を選んだことも理由がある。スピーカーとマイクが1つの端子にまとめられていることがある。これがパソコンとヘッドセットの組み合わせにより、うまく動作しないことがある。しかし、USB接続はその心配がない。USBポートに挿せば自動的にドライバーなどのインストールが実行される。

ディスプレー:BenQ EW3270U

 

EW3270U | 31.5インチ 4K HDRアイケアモニター
31.5インチ 、4K HDR対応 、3000:1の高ネイティブコントラスト比、DCI-P3カバー率95%の広色域のVAパネル採用したBenQ EW3270U 臨場感あふれる究極のビデオ体験をお楽しみください。

 31.5型で4Kというパソコンではハイエンドまで行かないがハイクラス程度のディスプレイだ。しかし、価格は55,000円程度。2万円や3万円でフルHDのディスプレイが買えるが、長く使うことを見据えて、ちょっと背伸びをしたら買える価格だろう。

 31.5型で4Kのディスプレイというと、ゲームや動画などエンターテインメントの用途と思われるだろう。しかし、それよりも文字が見やすいことがメリットだと思っている。現在、書いているブログも文字で、Webブラウザも文字、思い返せばパソコンで表示するのは文字が多い。

 これらの文字を小さく表示しても4Kなら潰れない、さらにディスプレイが31.5型なら大量の文字を表示しても潰れない。大げさなことを書くと、ディスプレイを四分割して、4つのウィンドウを表示しても1つのウィンドウはフルHD相当だ。

 と、4Kのメリットを書いたが、いま買うなら何も考えずにフルHDではなく4Kだ。

 ただ、念のため接続するパソコンが4Kでの出力に対応しているか確認した方がいいだろう。また、ディスプレイアームの使用をおすすめする。さらに幅が73cmなので設置場所を確保するために、机のレイアウトを変えるなど、実環境の整理が必要になるかもしれない。

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マウス:ロジクール「G900」

Logicool G903 LIGHTPSEEDワイヤレス ゲーミング マウス、HEROセンサー搭載
G903ゲーミング マウスを購入。HERO 25kセンサー、LIGHTSPEEDワイヤレス、Powerplay対応、左右対称形のデザイン、高度なボタンテクノロジー、LIGHTSYNC RGBなどが特徴です

 著者はマウスの使い方がおかしいという自覚はある。マウスは腕ではなく、手首で動かすのが正しいとされている。しかし、著者の場合は手首は固定。指だけで動かしている。そのため、マウスカーソルの動きがあまりにも速いため、ほかの人はわたしのパソコンは使えないというほどだ。

 これほど繊細な動きを捉えられるのは、ゲーミングマウスくらいだ。その中でも、ロジクールのハイエンドモデル「G900」を購入してしまった。当時は約20,000円。マウスにかける金額ではない。オンラインゲームのために購入したが、終了したあとも使っている。もちろん、マウスパッドはエアーパッドプロIIIだ。

 しかし、内蔵バッテリーが31時間しか持たないという大きな欠点がある。1日8時間の仕事だけで済む訳ではなく、12時間は使うだろう。そうなると2日半しか持たないので、こまめに充電しなければならない。こまめに、というのがなかなか難しいが、食事の時と決めておくとおおよそ問題はない。

 現行モデルは、「G903h」。大幅な省電力が図られているため約180時間使用できるというのが特徴だ。1日12時間の使用だと、おおよそ2週間持つ。さらに、専用のマウスパッド「POWERPLAY」を使用すると、ワイヤレス充電が可能だ。これで、バッテリーが切れる心配はない。

 今ならG903hは19,000円程度で購入できる。いま使っているG900は、バッテリーが消耗しているため、G903への買い換えを考えている。

 そんな中、交換用の互換バッテリーを見つけた。ワイヤレスマウスの交換用バッテリーがあるなんて、誰も思わない。しかし、高価なマウスであり、全世界で販売されているので需要はあるのだろう。バッテリーが1個1,499円で安いと思ったが、この金額でワイヤレスのマウスが購入できる。金銭感覚がおかしくなっている。

「G900」。「G」のロゴは専用のソフトで色が変えられる。しかも単色ではなく、周期的に変化させることもできる。ただ、手で隠れてしまうため、ほとんど意味がない。さらに、このような仕掛けもあるため、とてもじゃないが仕事の道具には見えない
テレワーク歴20年の著者が一部の人にすすめる ~会社の経費として認めてくれない数々の商品 48
「G900」。「G」のロゴは専用のソフトで色が変えられる。しかも単色ではなく、周期的に変化させることもできる。ただ、手で隠れてしまうため、ほとんど意味がない。さらに、このような仕掛けもあるため、とてもじゃないが仕事の道具には見えない
「G900」。「G」のロゴは専用のソフトで色が変えられる。しかも単色ではなく、周期的に変化させることもできる。ただ、手で隠れてしまうため、ほとんど意味がない。さらに、このような仕掛けもあるため、とてもじゃないが仕事の道具には見えない

座椅子:Bauhutte「ゲーミング座椅子[プロシリーズ]」(LOC-950RR)

ゲーミング座椅子 LOC-950RR
Bauhutte ゲーミング座椅子 LOC-950RR 公式ページ。高密度モールドウレタンの3Dゲーミングクッションをはじめ、ゲームのプレイ姿勢に応じて幅広く調整できる3Dアームレストなど機能が充実。ゲーマーを満足させることだけを考えた最上位モデルのゲーミング座椅子。

 “人間工学にもとづいた”という椅子は無数にあるが、座椅子というと少ない。これらのほとんどは「ゲーミング座椅子」というジャンルだ。自宅では和室で仕事をしている人にはおすすめだ。

 もちろん高価。また、普通の座椅子よりも高さがあるため、机も同じ程度高くする必要がある。キャスター付きなので畳が傷まないようにシートを敷く必要があるなど、本体以外もコストがかかる。また、キャスターの前後の移動によりじゅうたんにしわが寄る。しばらくの間は、じゅうたんを留めるピンで何度も調整しなければならない。

 このようにして購入したゲーミング座椅子だが、最初に座った時の印象は堅くて座り心地が良くなかった。高い買い物だったのに、これは大きな外れを引いてしまったと感じた。

 しかし、1日程度使っていると分かった。「長時間にわたり、緊張状態に晒されても疲れない」というのが、ゲーミング座椅子だ。航空機、レーシングカー、新幹線の運転席がゲーミング座椅子と同じ考えで作られているのだろう。そう考えると、仕事に使うためにはぴったりだ。

 このような事を考えると、座椅子ではなくても、仕事用の椅子を買うとき。お店に行って実際に座り、心地が良いと感じる製品は適さない。しかし、このような仕事にあった椅子を評価するには1日使ってみないと分からないと思う。なかなか難しい。

ゲーミング座椅子[プロシリーズ]。配置の関係で、肘掛けは左側だけにした。背もたれのクッションは着脱できる
ゲーミング座椅子[プロシリーズ]。配置の関係で、肘掛けは左側だけにした。背もたれのクッションは着脱できる

アームスタンド:エアリア「肘置きアームスタンド」(CA-500)

AREA ―エアリア― |CA-500 アームスタンド<マウスパッドレスモデル>

 「肘置きアームスタンド」と聞いても分からないだろう。机の手前に設置してヒジの高さを保ったまま、左右に動かせる製品だ。一般的には、マウスを使う右腕だけでも効果は十分だが、あまりにも快適なのでもう1つ左腕用にも買ってしまった。

 特に楽なことは、右腕をキーボードとマウスを行き来するとき。高さが固定したまま左右に動けるため肩への負担が減る。実際、わたしは肩こりが軽減した。念のためだが、この効果には個人差があると思う。

 アームは使いやすい高さに調整できるが、購入してから2カ月経過するが、どこが一番楽なのかまだつかめていない。これはもう使いながら適切な位置に変更するすかない。

 今のところ右はマウス用のジェルパッドで手首を支え、100円で買った小さいすのこでマウスパッドの位置を高くした。肘置きアームスタンドも快適に使うのは、もう少し環境を整える事が必要だ。

肘置きアームスタンドはマウスを操作する右側だけに設置するのが一般的だ。しかし、左側も購入した
肘置きアームスタンドはマウスを操作する右側だけに設置するのが一般的だ。しかし、左側も購入した

テレワークを快適にするならゲーミングデバイス

 これらの商品を並べて気が付くことがあるだろう。ゲーム用のデバイスが多い。ゲームは、長時間にわたり集中力を持続させる必要があるが、仕事も同じだ。

 このようなゲーミングデバイスだが、本体も高価だが、それを快適に使えるようにする環境を整えるのもコストがかかる。

 31.5型の4Kディスプレイはグラフィックボードとディプレイアームがないと快適に使えないだろう。G900はエアーパッドプロIIIを使わないと本領を発揮できない。ゲーミング座椅子に至っては、机を高くして、畳や床の上にシートを敷く必要がある。

 上記の商品を全て購入すると12万円程度だ。さらに、その周辺を整えると15万円程度のコストがかかるだろう。これにはパソコンもパソコンデスクも含まれていない。

 このように、ゲーミングデバイスは、本体を買うだけでは使えない。その周辺も固めないとせっかくの商品が無駄になってしまう。その覚悟があるなら、一式購入するといいだろう。快適なテレワークができるはずだ。